落語デビューを飾ろう!後編

初心者でも理解できるポイントを押さえて「落語デビューを飾ろう!」後編

前編では落語家の世界のキホンをちらっとのぞいてみましたが、後編では寄席で目につくポイントについて解説しましょう。それらのポイントを押さえておけば、もう落語デビューの準備はカンペキです!

Step1
そもそも「落語」って何?

端的に言うと「江戸時代に成立した大衆娯楽」になりますが、かの立川談志は「人間の業を肯定するもの」と落語を定義しています。“業〈ごう〉”とは、酒を飲んではいけないと理解していながらつい飲んでしまう……といったように、「◯◯はいけないこと」と頭で理解していながらも感情や欲望に負けてしまう人間の意志の弱さ因果不条理さを表します。

歌詩に自らの想いを重ねあわせるラブソングがいつの時代もなくならないのと同じように、時代は変わっても、人の本質は変わらないもの。町人、武士、浪人、町娘、夫婦などが抱える“業”は、聴き手(観客)の“業”でもあるため、短い噺の中に凝縮したおかしみと哀しみに共感し、さらに“落ち”がわかっていても思わず涙してしまう……。ここに400年以上にわたって愛されて続けてきた落語の魅力と本質があるといってよいでしょう。

Step2
落語会・寄席に行ったらここに注目!

●席に着いたら、まず座布団!

「高座(こうざ)」中央に置かれた座布団は噺家(落語家)が変わるたびに前座さんがひっくり返しますが、座布団は客席から縫い目が見えないように置かれています。縫い目のない一辺が座布団の正面で、ひっくり返す時にも客席に縫い目が向かないよう腕を交差させて左右に返すのですが、これには「お客様との縁が切れませんように」という意味が込められています。

●字画が太くて黒味が目立つ「寄席文字」

舞台上の座布団横には細長い紙が数枚たれさがっています。これは紙(メクリ)というもの。噺家が変わるたびに前座さんがこれをめくりに現れます。紙(メクリ)には、名前が寄席(落語)専用の太い書体の寄席文字で書かれていて、実はこのメクリにも「客席が隙間なく一杯になりますように」という意味が込められています。

Step3
さあ、いよいよ落語家さんが登場!

●客席が暗転し、出囃子が聞こえてきた!

噺家ごとに異なり、登場時に奏でられる出囃子(でばやし)では三味線、太鼓、笛、当り鉦(がね)などの楽器が使用されます。出囃子は短くて簡単な調べではあるものの、「噺家が高座に上がる、座布団に座る、頭を下げる、上げる」に合わせて曲がぴったり終わらなければならないため、奏者には高い力量が求められます。

Step4
これを知れば、落語がより楽しめる!

●まくら、本題、落ちの三段構成で成り立つ落語

舞台に上がった噺家さんはまず世間話(まくら)で観客の気持ちをときほぐし、観客と息が合ったタイミングで本題に入っていきます。古典落語では長いもので本題が8時間超のものもありますが、現代では一話20〜40分ほど。高名な噺家さんの独演会では一話1時間以上のものもあり、いずれも最後を締めくくる「落ち」はプロの真骨頂ともいえる鮮やかさです。

●重要な役割を果たす落語の小道具

キセル(たばこ)をはじめ、戸を叩く場面では叩く仕草と同時に一方の手で床を扇子で叩くなど、扇子は落語必携の小道具。扇子は「カゼ」、煙草入れ財布などの小道具として使われる手ぬぐいは「マンダラ」と呼ばれています。

●噺が「落ち」に向かって盛り上がってきたら……

一人の噺家さんがすべての登場人物を演じるため、歩く書く扉を叩く食べる飲むといった動作を絶妙なタイミングで織り交ぜながら、登場人物の心情や物語の情景を表現していきます。ときには古い噺にもニュースになったばかりの最新キーワードがふいに登場するなどの見せ場も。

噺家さんの話芸を堪能しつつ、大団円でもある「落ち」に到達した瞬間、心を込めて噺家さんに拍手を送ることができたら、もうあなたは立派な落語ファンと言ってよいでしょう。

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