Special Interview

斎藤 工

2014年夏に一大ブームを巻き起こした「昼顔~平日午後3時の恋人たち~」が満を持して映画化!上戸彩さん演じる紗和の相手役を務める斎藤工さんに、クリエイティブなスマホライフについて伺いました。

世の中の風潮に図らずも寄り添ってしまった「昼顔」が
今、この時期に上映されるのは必然だと思います

ドラマから3年を経ての公開ですね。

「これだけ時間が空いたのは、すごく意味のあることだと思っています。ドラマ版のとき、それまで水面下にあった平日午後の実態を描いたことで、良くも悪くもその後の世の中の流れとどこかつながってしまったような感覚がありました。作品の中でも僕が演じる北野が紗和(上戸彩)と引き裂かれた最終回から3年経っているので、人として、役者として生きてきたその時間が役にも反映されていればいいなと思います」

久々にお会いした上戸彩さんとの共演はいかがでしたか?

「多分、男の3年と女の3年は違うんですよね…上戸さんの目には分からないような変化や深まりがものすごくて。今の上戸さんがもう一度、役をまとうこと自体が劇場版のひとつの意味というか、彼女が現場で今まで見せたことのないような表情をされて、ドキっというか、ゾッとするような瞬間がありました。それによって僕もまた北野になっていったような気がします」

紗和と北野先生の関係についてどう思われますか?

「劇場版の撮影に入る前にドラマ版を見返したんですが、面白くて普通に見入っちゃったんです(笑)。僕は罰を受けてほしいなと思っていた派ですけど、後半に向かって盛り上がる壮大なクラシックの曲を聴いているようでした。2人はたとえ再会しなくても一生想い続けただろうし、グツグツの鍋に蓋をしても結局はあふれてしまうように、想いを閉じ込めたことで逆の効果がでてきてしまったのかなって。どちらにしても妻の乃里子(伊藤歩)にとってはきついですよね。感情って一色じゃないので、ちゃんと乃里子との生活を守ろうという気持ちもあった。そういった人間の業や魔が差すということを監督と丁寧に描く中で、僕自身は導入も結末も、そうなるなんて夢にも思わず、ただそこにいました」

では最後にPRをお願いします!

「気持ちとしては、たとえ素のときであっても、この作品の役柄上、上戸さんと一緒に仲良くお話している姿をお見せしたくないくらいです。ただ、このムーブメントに対する責任みたいなものを果たして、ひとつの結論を提示する意味合いが今回の劇場版にはありますから、ぜひ見届けていただきたいなと思います」

スマホが1つあれば、世界中が僕の映画の編集室に!
スマホの自撮りだけで作る映画の計画も進行中です

映画の撮影中に、スマホを介してコミュニケーションしたようなエピソードはありますか?

「確か上戸さんが写真アプリにハマっていて、顔交換して楽しんだり、面白い写真を撮ってくれていました(笑)」

斎藤さんはご自身で監督業もされますが、そちらで役立つことは?

「すごく活用しています! ちょうど『昼顔』の撮影中も、その直前に撮影した映画の確認作業があったので、ロケの行き帰りで仮編集した本編映像やスポット、そこにつける音楽のやりとりをしていました。特に仕上げの作業はスマホで確認することが多くて。メールアプリのグループ機能で打ち合わせもできてそのまま記録になるし、スマホのおかげで、もうどこでも僕の仕事場になります」

そんなに使っていたら通信量が大変なことになりそうですね。

「いつもこんな感じなので、Wi-Fiルーターを持ち歩かないとすぐ低速になるんです。仕事で行ったアフリカのマダガスカル島でも、その映画のチェック作業をしていましたから。といっても、修正部分を伝えるメールを送った直後に街全体が停電になって、1週間復旧しなかったこともあって、あれには参りました(笑)」

まさに世界中が仕事場!以前イタリアのウディネ映画祭に参加されたとき、スマホで映画を撮る計画も語られていましたね。

「はい、記者会見で断言したんですけど、スマホの自撮り機能だけで1本映画を撮りたいと思っていて。僕がシェルターに閉じ込められたおじさんを演じる物語です。氷河期が訪れて富裕層が他の星に移住する中、地球に取り残された人類が、限られた資源の中で繁殖も許されず日々を過ごす…という状況下で、記録用に撮る設定だったらイケるんじゃないかと。スタッフロールに僕しかいないような映画です(笑)」

すでにそこまで具体的な構想が…。

「そうですね。園子温監督もスマホ映画を撮影中ですし、オールスマホで撮ったアメリカの『タンジェリン』という作品も、僕の中で去年のベスト3に入るくらい良かったです。若者が投稿する動画もみんな作家性が発揮されていますし…。それで映画の職人さんたちの仕事がなくなってしまったら寂しいですが、そちらを残しつつスマホももっと活かすべきときが来ているなと感じています」

Profile

さいとう・たくみ/1981年8月22日生まれ、東京都出身。近作に映画「高台家の人々」「団地」、ドラマ「臨床犯罪学者 火村英生の推理」「運命に、似た恋」など。移動映画館を主催するなど根っからの映画好き。監督作に「サクライロ」「半分ノ世界」、間もなく初長編監督作「blank13」も。

Information

「昼顔」
6月10日全国東宝系にて公開

©2017 フジテレビジョン 東宝 FNS27社

あらすじ

互いに既婚ながら、愛し合うようになった紗和と北野。関係が明るみになり引き裂かれてから3年、夫とも離婚して海辺の町で慎ましく暮らす紗和は、杉崎(平山浩行)が営むレストランで見習いとして働き始める。一方、北野は蛍に関する講演のために、偶然その町を訪れてしまう。

監督:西谷 弘 脚本:井上由美子 音楽:菅野祐悟

出演:上戸 彩 斎藤 工 伊藤 歩 平山浩行

配給:東宝

撮影:松井伴実 スタイリング:川田力也(es-QUISSE) ヘア&メイク:赤塚修二(メーキャップルーム) 取材・文:門脇弥沙

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